MASASHI NAMIKI

「心象スケッチ」を手に入れた

ZONE THE DARKNESSの1stアルバム「心象スケッチ」というCDを手に入れた。

ZONE THE DARKNESSは、東京の葛飾区を拠点に活動するラッパー。10代の頃に少年院の中で筆記が許されなかったため、頭の中で歌詞を書き溜めて、少年院を出た後、「心象スケッチ」を自主制作でリリース。

2009年に初版がリリースされる。1,000枚限定。当時、ストリートで手売りされていたらしい。職場の同僚が欲しがっていて、気になり始めた。Apple Musicは配信されておらず、iTunesでも買えない。メルカリでは、¥40,000前後のプレ値が付いている。

一度は、同僚と割り勘して買おうとした。メルカリのオークションで出品されてるの発見して、同僚に入札させた。あっという間に値段は上がり、その時は残念ながら競り負けた。

どうしても、MacBookのMusicライブラリに追加して、iPhoneに転送して持ち歩いて聴きたいと思っていた。2ndアルバムの「The N.E.X.T」は「始めるぜ 第二章」という歌詞で幕を開ける。第一章を知らないのに。

ある日、気づいたら購入していた。もう、聴きたくて限界だったんだと思う。

ケースが割れているのも、なんか良い。

「心象スケッチ」は、重く沈んだビート上で、淡々と研ぎ澄まされた言葉を連ねていく。少年院での経験、積み重なる現実が、そのまま音に表現されているからこそ、静けさに説得力が宿る。全曲を聴き終えると、短編小説を読み終えたような余韻が残る。

暫く、同僚に手に入れたことは明かさなかった。理由は語らずに「会社に君のMacBookを持ってきてくれ」だけ言うと、不思議そうな表情を浮かべていた。

数日後、仕事を終えた後に同僚とKFCに入り、周囲に人が居ないか見渡した。ドラッグディールさながら、テーブルの下で「心象スケッチ」見せて、同僚のMacBookにリッピングした。

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